コンクリートの外柵を貼り石でリフォーム。土の風合いを残した草止め工事、都立多摩霊園にて
こんにちは。東京全域で、お墓のお仕事をさせていただいています石誠メモリアルサポートの松本です。今回は、都立多摩霊園にて、外柵のリフォーム工事をさせていただいた際の様子をご紹介いたします。
【多摩霊園 外柵リフォーム・草止め工事】
ホームページからお問い合わせいただきました。お墓のリフォームと草止め工事をお考えということで、現地でお会いしてお話しをうかがうことになりました。
お墓へ伺うと、お客様はご家族様5,6人でお越しくださり、中には自転車で来られた方もいらっしゃるほどお近くにお住まいの方でした。戦後すぐに建てられたお墓の、コンクリートで作られている外柵を作り変えたいということと、墓所内の草止め工事をしたいとご希望でした。
こちらが施工前のお墓です。とても大きなお墓です。拝見すると、コンクリートの外柵は真っ黒になっていて、劣化も進んでいる状態でした。お客様は「お墓を新しくしたように刷新したい」とご希望でしたが、とても大きなお墓ですので、この外柵をすべて御影石にするとかなりの費用がかかってしまい、お考えのご予算をオーバーしてしまうことが考えられました。ですので今回は、外から見えるところだけを御影石にする方法をとることになりました。
入り口の階段部分です。こちらも劣化が進んでいます。上り下りする階段部分は、お客様とお話しして、強度の面から御影石で作成することになりました。ただ、階段と手前の腰石まですべてを変えるだけでもかなりの石を使用することになりますので、コンクリートの外柵の表面をはつって、そこへ貼り石をすることにしました。コンクリートの劣化を補強しつつ、お墓の今の高さも変えることなくリフォームが可能です。
工事が始まっています。まずは、外柵コンクリートの表面のはつりの作業、階段を取り外して基礎から直す作業をしています。
階段部分の基礎です。お参りのたびに上り下りする階段は、沈んでしまったりすることがないよう、しっかりと強度を保った基礎を施工します。
ランマーという機械でしっかりと地盤を固めています。
転圧したらグリ石を入れて、さらにまた転圧して固めます。
外柵の腰石の表面をはつって貼り石をしています。敷地の広さは限られていますので、その範囲に納まるように貼り石をするには、その分コンクリートの表面をはつって石を貼る必要があります。こうすることで、ずいぶん使用する石の量が少なくなり、費用も抑えることができました。
お墓の据え付けも始まりました。外柵は、腰石の貼り石が終わり、外柵の角にはL字の金具を使用してしっかりと留めています。この上に、外柵の一番上の羽目石を設置します。
羽目石を設置しました。今回の草止めの施工は、固まる土を使用して行います。通常、コンクリートを入れて水抜きを設けて化粧砂利を敷く方法も多いですが、今回は「土の風合いを残して草止めをしたい」とお客様がご希望でしたので、固まる土で草止めの方法をとりました。砕石を敷いて、その上に雑草が生えなくなる固まる土を敷きます。
階段からお墓の手前の敷石や拝石は、今回新しく作りました。洗浄では汚れをきれいに取りきるのが難しかったお墓の一番下の芝台も新しくしています。
固まる土を敷いて、工事完了です!
雑草の生えてこない固まる土を使用した草止め施工部分です。ご希望の通り、自然な土の風合いを残したあたたかい雰囲気です。きれいに仕上がりました。
手前のベンチは既存のものを洗浄して再度設置しました。前面に貼り石をしたお墓の手前の腰石部分は、側面から見るとこのようになっています。
お客様にはご希望のお墓になったことを喜んでいただけて、お声を寄せてくださいました。
石誠様はインターネットで知り、今回の件を説明させていただきました。最初の打ち合わせでは、現場で周りの石を洗浄してもらいイメージを提示していただいたり、石見本や砂の見本確認など3回打ち合わせを行い、お願いする事にしました。
工事に入った後も、都度画像で進捗を確認でき、安心してお願いでき、完成後も、メンテナンス等していたでけるとの事でした。また予算に関しても限られた中でお願いする事ができて助かりました。
今回お願いした松本様には、相談→打ち合わせ→工事→完成にいたるまで、お墓の事に関して知らない私達に対して、丁寧にご説明いただきました。その中でも事例を提示していただいた事が、とても納得がいき、お願いする決め手となりました。
また今後とも、ご相談させていただく事もあるかもしれませんが、その際はまたよろしくお願い致します。ありがとうございました。
ありがたいお声、大変励みになります。ありがとうございます! 今後も、末永く大切にお参りいただけますとうれしく思います。
今回は、外柵に貼り石をしてのリフォームでした。通常のお墓工事で多い横面の貼り石ではなく縦面の貼り石で、建築的な技術も必要となる、職人の腕の見せ所!というお仕事でした。今回担当した職人は、お墓の現場だけでなく色々なところで知識や技術を身につけた勉強熱心な職人で、私もその職人と一緒にお客様のご希望に沿うように考えながら、一生懸命取り組みました。今回は、お客様のご希望やお考えのご予算を考慮して方法を考えた結果として発生した貼り石作業でしたが、そうした職人の努力もあってご希望を叶えることができました。とても勉強になりましたし、仕上がりもとても良くてお客様に喜んでいただけて、印象に残るお仕事になりました。
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