花個紋をあしらった、真壁小目石の古代型五輪塔のお墓を建立。多磨霊園2㎡

こんにちは。東京全域で、お墓のお仕事をさせていただいています石誠メモリアルサポートの松本です。多磨霊園2㎡墓地に、花個紋をあしらった、真壁小目石の古代型五輪塔のお墓を建立させていただきましたので、ご紹介いたします!

 

多磨霊園 古代型五輪塔 石塔:真壁小目石 外柵:G688 墓誌:インドM10

 

お墓の建立をご希望で、お電話でお問い合わせくださったお客様がご来店くださいました。多磨霊園に当選したとのことで、区画の広さ等も伺い、ご希望等をお伺いしました。ご夫妻でお越し下さり、奥様のご実家と、嫁がれた先のご家族様も入ることのできるお墓として建てることをお考えでした。

 

こちらはお墓を建てる区画です。約2㎡の縦に長い区画です。初めは区画番号を伺って私だけで行って確認し、何回目かのお打ち合わせの際はご一緒に伺いました。色々なお墓を検討されて、「洋型よりは和型かな」というイメージをお持ちでしたが、そのうちに、「五輪塔のお墓がいい」という流れになりました。

 

こちらはご提案した最終図面です。宗教的な面で五輪塔をお選びになるケースはありますが、今回のお客様は五輪塔のデザインをとても気に入っておられました。ただ、五輪塔といっても実は色々なタイプがあり、「安定感のある堂々としたスタイルがいい」とご希望でしたので、古代型五輪塔をご希望に応じて少しアレンジしてご提案しました。ご納得いただいて、工事に取り掛かりました。

 

工事が始まっています。床堀りをして、縦型のランマ―という機械で地固めをしています。

 

今回は、墓地に樹脂パイル(杭)を打ち込むことになりました。理由としては、今回お墓を建てる場所は返還墓地なので地盤が少し柔らかいこと、また、五輪塔のお墓は使用する石材の量が多くかなりの重量もあることから、管理事務所にも相談して杭を打ち込んで地盤を補強することにしました。お写真は、杭打ちをする機械です。

 

こちらが打ち込む樹脂パイルです。長さは2mあります。

 

印のように、しっかりと打ち込んでいきます。

 

右奥のパイルを打ち込んでいるところです。近くのお墓に万一にも影響がないよう、毛布などで養生して作業を進めます。

 

4本の杭を墓地内に打ち込み終えたところです。ちょうど天面が揃うように打ち込みました。

 

地盤の補強が終わり、型枠を組んで配筋し、コンクリートを流すところです。

 

しばらく養生期間を置いて、基礎が完成しました。少しお掃除をして、据え付け工事開始です。

 

カロートの据え付けが完了したところです。納骨室の底はこのように土を残したままの状態で、息抜きとして準備しています。

 

納骨室の上に、天板を設置しました。五輪塔の一番下の台石も兼ねています。

 

中台を設置しました。ステンレスの棒を中央に取り付けて、耐震ボンドを塗り、この上に棹石を設置します。

 

棹石の上に、玉石と笠石を設置します。ここでもステンレスの棒を使ってしっかりと耐震施工で据え付けます。宝珠や花立、香炉などを設置して、完成です。

 

完成しました!

 

茨城県産の真壁小目石を使用した石塔です。お客様のご希望で、梵字は4方向に入れています。また、花立の前面に彫刻したのは「花個紋」というもので、季節の花々をお誕生日ごとにシンボルとしたものだそうです。

 

拝石は、墓誌と兼用しています。こちらはインド産のM10という黒御影石を使用したので、細かい文字も見やすくなっています。家紋はこちらに彫刻しました。拝石は、納骨室の幅いっぱいに作るのではなく、少し左右に隙間を設けています。こちらは、高さのある五輪塔のお墓の上の方をお掃除するときに足をかけるところが欲しいと、お客様からご希望いただきました。

 

墓地の入り口に小さめの灯篭を一対お付けしました。2㎡の墓地では、出入りの邪魔になったり、ひっかけてしまったりする可能性もあるのであまり付けることはありませんが、「どうしても付けたい」と強いご希望があったので、できるだけ邪魔にならない、小さめの丸置き灯篭をご提案しました。倒れたりすることがないように耐震ボンドで接着しています。また、通常はお墓手前のこの部分は手前に向かって少し傾斜をとって水が溜まらないようにしますが、灯篭の設置場所は水平でないといけませんので、中央の足元部分のみに少し傾斜を付けました。

 

後方です。背面に建立年月と建立者の方のお名前を彫刻しています。

 

お客様には、大変喜んでいただけました。お客様は今回のお墓作りにあたり、お墓について色々なことを勉強されていました。私がお話したこと以上に、「こんな風にしたい」という具体的なご希望をおっしゃってくださり、それらが加味されることで、世界に二つとない、唯一無二のお墓が完成しました。そのことには大変喜んでいただけましたし、ご自身の満足感も大きかったのでないかと思います。このたびは弊社にお墓作りをお手伝いさせていただきまして、ありがとうございました。なにかございましたら、またいつでもお声かけください。

私は、石屋として独立する前からお墓の販売をしておりましたが、当時はお客様にできるだけ簡単に選んでいただくことができて、スムーズに完成まで導けることが良いとされていました。この方法でも確かに問題なくお墓作りを進めることができますが、独立してからは、「お客様の建てたいものを建てる応援をしよう」という方法に変わっていきました。弊社のお墓作りは、一方的にご説明するだけではなく、お客様とキャッチボールをしながら進めていきます。もちろん、お互いに大変なところも手のかかるところもありますが、この方法でお墓作りをされたお客様は非常に満足度が高く、思い入れのあるお墓をより一層大切にしてくださいます。今後も、「お客様の理想のお墓作りを応援する」という気持ちで、できる限りのお手伝いができればと願っております。