ニューインペリアルレッドとOW-1の華やかな洋型墓石。都立多磨霊園

東京全域でお墓のお仕事をさせていただいております、石誠メモリアルサポートの松本です。多磨霊園にて、ニューインペリアルレッドとOW-1の鮮やかなコントラストがとても美しい洋型墓石を建立させていただきました。

多磨霊園新規建墓 ４㎡クラス　石塔：インド産ニューインペリアルレッド　外柵材：カンボジア白（OW-1）

ホームページをご覧になったお客様からお電話でお問い合わせをいただきました。ご家族様が亡くなられて多磨霊園に申し込まれて当選され、お墓の建立をお考えでした。お店の方へお越し下さってお話を伺い、ご一緒に現地を確認しに向かいました。

 

こちらがお墓を建てる場所です。多磨霊園では現在、返還墓地の再分譲が行われています。広い区画をいくつかに割って提供されているところが多く、広さも４㎡と言っても寸法は場所によって異なります。また、実際に現地で採寸をしても正確な寸法を確認することは難しいので、申請して必ず切図（きりず）を見せてもらい、それで間口・奥行きを測ります。お墓の向きは、貸付予定地区画番号等が記された白い札と同じ方向を向いて建てる決まりになっており、両隣にお墓がある場合は寸法よりも1.5cmずつ内側にマイナスする必要があるので、そうした様々な過程を経て、仕上がりの寸法を決めます。

お墓については、「赤い石がいい」とご希望でしたので、赤い御影石の代表格、インド産のニューインペリアルレッドをご提案して気に入っていただきました。外柵は対照的に鮮やかな白をご希望で、比較的費用も抑えられるカンボジア産のOW-1という白御影石をご提案しました。

 

工事開始です。床掘をして、基礎を打つ準備をしています。しっかりと深く掘り下げました。

 

その後、割りグリ石を入れて地固めをします。砕石も入れて、ランマ―という機械でしっかり固めます。

 

型枠を組み、配筋してコンクリートを流し込む準備をします。鉄筋は、コンクリートの中心になるように高さを調整しています。

 

コンクリートを流し込み、表面をきれいにならします。しばらく養生期間を置き、しっかり固まったら据え付け開始です。

 

基礎の完成です。中央の穴はカロート（納骨室）の下にあたるところで、土のままで仕上げます。

 

石の据え付けが始まりました。外柵腰石を据えて、中央には納骨室を設置しています。

 

角の部分はこのように、L字のステンレス製の耐震金具で留めています。耐震ボンドを使用して接着していますが、将来的に石が開いたり、ズレたりすることを防ぐため取り付けています。

 

親柱や踏み石を手前に設置しました。だいぶ外柵が組み上がってきました。

 

外柵腰石の上に羽目石を設置し、納骨室の横は砕石を入れました。

 

砕石を入れたところに石貼りをしました。中央が納骨室です。

 

カロート（納骨室）内部です。手前の土が見えているところがいわゆる「土残し」です。ここに蓋石をすると、奥の板石の上もあわせて広い空間になり、たくさんのお骨壺を納めることができます。

 

最後にきれいな真砂土を敷いて仕上げました。将来的にご遺骨が増えた場合は、骨袋などに入れて蓋石を取り外して下の段にお納めすることもできます。

 

墓石の設置が始まりました。耐震ボンド等を使って地震対策をしながら据えます。

 

棹石を据えて、墓誌、花立や香炉などを設置したら、お墓の完成です。鮮やかな赤と白のコントラストで、華やかな印象のお墓に仕上がりました。

 

ご希望だった赤い御影石を使った洋型墓石です。使用したインド産のニューインペリアルレッドは、中には茶色が強いものもありますが、今回の石は赤が強いものでしたので、鮮やかさが際立っています。棹石や香炉の天面、花立や水鉢の前面など、丸みを持たせた柔らかなデザインを採用しています。土間は、将来も草取りの手間がないように、メンテナンスもしやすい総石貼りをお選びになりました。

 

側面に建立年月と建立者の方のお名前を彫刻しています。台石は、どちらも四方に水垂を付けて水が溜まりにくいようにしました。

 

墓誌です。天面には棹石と同じく丸みを付けています。台座を設けず、外柵の羽目石を加工して埋め込む形で設置し、省スペースかつお掃除のしやすさを叶えました。

 

外柵の羽目石は、あえて隙間をつくることで石貼り部分に水が溜まらないようにしています。入口は、ご希望で階段のない段差が小さい設計として広々と使っていただけるようにしていますが、上の段のお掃除がしやすいように両脇に小さな階段石を設けています。

 

お墓の左奥に見えているのは、浅間山公園の緑です。左側に墓誌などを配置せずに見通しを良くすることで、背景の緑も楽しんでいただけるようになったので、借景のような趣も持たせられたかな？と思っています^^ お引き渡しも無事に終わり、お客様には大変喜んでいただけました。涼しくなった秋口頃にご法要をされる予定です。このたびはお墓の建立にあたり、弊社にお声かけいただきましてありがとうございました。今後ともどうぞ末永くよろしくお願いいたします。

今回のお客様は、ご家族皆様でのお墓作りでした。近年お墓作りでは、お施主様がお一人でお越しになるよりも、ご夫妻やご兄弟、親子や姉妹など、ご家族皆様でお見えになって、それぞれのご意見を聞いてまとめていくという形のお墓作りが多いです。私としては、その方がよりご満足いただけるお墓になると感じています。といいますのも、色々な意見があっても、皆様がよりよいお墓にしようと悩まれたり話し合ったりされたことがデザインや石種に反映されますので、結果的にご家族皆様にご満足いただけるお墓に仕上がり、皆様にとって思い入れのあるお墓にもなり、末永く大切にしていただけるのではないかと思います。かけがえのないお墓作りになりますよう、できる限りのサポートを今後も続けてまいります。