インド産M10のお墓へのフルリフォーム工事。多磨霊園6㎡

こんにちは。東京全域で、お墓のお仕事をさせていただいています石誠メモリアルサポートの松本です。都立多磨霊園にて、管理の難しかったお墓を、インド産M10のお墓へフルリフォームさせていただきましたので、ご紹介いたします!

多磨霊園6㎡ 既存墓所のフルリフォーム

 

多磨霊園にお墓をお持ちのお客様からお墓のご相談をいただきました。ご親類様のお墓を相続されて、自分が墓守をすることになったので、今後どのように守っていくか検討されていました。ひとまず、お墓の場所を伺って現地確認に向かいました。

 

お墓のようすです。最初の現地確認の際は、草が生い茂ってお墓が見えなくなってしまっていました。お客様が相続されるまで、管理が難しい状態だったことがうかがえます。

 

その後、生い茂っていた草を取り除いてお墓の状況をご確認いただけるようにしてから、お客様とご一緒に現地確認を行いました。外柵は傾いていて左側が下がっていますし、お地蔵様も明らかに傾いています。長い間管理が難しかったこともあって、このまま維持するのはかなり厳しい状況です。お客様とお話をしてご希望を伺い、これを機に全面的なリフォームを行うことになりました。

 

こちらは提案した図面です。「できれば残したい」とご希望いただいたお地蔵様は、確認すると状態も良かったので、洗浄をして台座を新しくお作りし、お墓の右手に安置することにしました。お墓については、お客様のご希望を受けて囲いの羽目石を少し高く設計しています。最近のお墓には低くフラットなものも多いですが、こちらの区画は昔からの古い区画なので、三方のお墓は参道よりかなり高く設計されていました。そこで、ほかのお墓とのバランスがよく見劣りもしない高さで、かつ現在の霊園の規定に合うように設計し、3段の階段を設けました。これまでは急な階段2段の入り口でしたが、3段にすることで一段の高さを抑え、より安全に登っていただけるようにしました。

 

既存のお墓を取り外し、お地蔵様も一旦取り外して洗浄、基礎からすべて施工し直して、外柵やお墓本体を耐震施工で据え付けて完成です。

石塔と墓誌に使用したのは、インドのM10という黒御影石、ほか外柵等は中国湖南623という白御影石です。左右のお墓とも高さのつり合いが取れて、バランスよく仕上がりました。

 

正面は「絆」という文字を彫刻しました。複数種類の字体をご提示して、篆書体や隷書体なども検討された末、最終的にはこの書体をお選びいただきました。左上には、桜の花があしらわれています。当初は花びらが舞う桜吹雪のイメージだったのですが、「もっとたくさん花が欲しい」とご希望いただいて、ボリュームのある桜の枝ぶりでより華やかになりました。お墓右手には、既存のお墓にあったお地蔵様を安置しています。少し汚れが付いていましたが、洗浄するときれいになり、とてもいいお顔をされています。お地蔵様専用の花立や香炉もお付けしました。また、お墓手前の敷石は大きいサイズで、表面はすべり止め加工をしています。安全にお参りいただけるように配慮しました。

 

こちらは水鉢の前面です。ご指定の書体で「南無阿弥陀仏」のお念仏を縦向きに彫刻しています。

 

左手の墓誌は石塔と同じ石で作成、既存のお墓に納められていた仏様のお名前を彫刻しました。戦地で亡くなられたご先祖様の詳細なども記して、後々に記録としても残るようにしました。

 

お引き渡しの当日です。一旦取り出したご遺骨は再び新しいお墓に納められて、ご一緒に手を合わせました。お客様からは、「思い通りのお墓を作ってもらえた」と大変喜んでいただけました。一段ずつの高さを抑えた階段は、「登りやすい」と喜んでいただけました。じっくりと時間もかけてご希望をうかがいながら、お客様のペースでお墓作りを進められたことで、大変ご満足いただけるお墓にすることができたのではないかと思います。このたびは弊社に建立工事をお任せいただきまして、ありがとうございました。

近年、親御様などの直系ではなく、ご親類の方のお墓を引き継いでいくことになったことを機に、お墓のリフォーム等をご相談いただくことも増えました。お墓じまいをするのではなく、これを機会に新しい形にして守っていこうとするケースです。そうしたケースでは、全てを変えるのではなく一部を残したり、中には「改修」という形でご自分のお名前も残さずにご先祖様の軌跡を大切にしたり、お墓をこれまで守ってこられたご先祖様への敬意を感じるようなリフォームをされる方も多いです。お墓はお家の歴史でもありますので、管理しやすいお墓にしながらもこれまでの歴史を残すことは、大変意義あることだと感じます。そうしたご希望に沿いながら、よりよいお墓になるよう、今後もお手伝いを続けて参ります。