神奈川県産の根府川石のお墓の樹木伐採と草止め工事等をさせていただきました。白河石の外柵もきれいに洗浄、都立多磨霊園

こんにちは。東京全域で、お墓のお仕事をさせていただいています石誠メモリアルサポートの松本です。都立多磨霊園にで、根府川石のお墓の樹木伐採と草止め工事等をさせていただきましたので、ご紹介いたします。

 

【施工前後の様子】

 

こちらの墓所の持ち主の方のお母様から当初ご依頼をいただきました。「とにかく大変な状況なので、一度見に行って欲しい」ということでしたので、区画番号を伺って、とにかく現地へお墓を見に伺いました。

 

「とにかく大変な状況」とお客様がおっしゃっていた通り、どこから手をつけたらいいか・・・と思ってしまう状態でした。これだけ生えてしまうと、生えやすい土壌になってしまうということもあります。この状況ではお参りおをされようにも、ご自分で草取りなどをされるのも難しいかと思いますし、大変な労力が必要です。

お隣の墓地も草がかなり生えていますが、長年こうしたお墓を見てきた私としては、こういった状況は隣り近所に広がっていってしまうように思います。

 

石塔も隠れてしまっています。色々な種類の植物が、墓地の中にびっしりと生えていました。外柵も、入り口階段部分も長年の汚れでかなり黒ずんでしまっています。

 

お墓の後方には樹木がありました。こちらは今回抜根することになりました。

 

お花立てです。鋳物でできた花立てで、ねじ式のものでしたが、古くなって外れなくなってしまっていたので洗ってきれいにすることもできません。

 

昭和17年に建てられた、自然石の立派なお墓です。神奈川県産の根府川(ねぶかわ)石で作られていました。

はじめにご依頼をいただいたお母様と、娘さんとお話しをして、今回は、樹木の抜根、コンクリートでの草止め工事、花筒の交換、お墓と外柵の洗浄等をさせていただくことになりました。墓地も広いので、草取りは大変な重労働になります。根本から草止めをして、管理しやすいお墓になるようにします。

 

完成です!

工事の内容としては、まずは、雑草をすべて取り除き、樹木の抜根をしました。その後、20cmほど床掘りして根切りをし、砕石を敷いて転圧、コンクリートを流し入れて草止めをしました。広い墓地でしたので、水抜きの穴を4箇所ほど設けています。根府川のお墓本体と、福島県産の白河石の外柵は高圧洗浄できれいにして、黒ずんでいた部分もすっきりと明るくなりました。

緑が全くないのも寂しいということで、入り口左右にはお手入れの手間があまりかからない小さな柘植を配置しました。

 

砂利は伊勢の錆び石のころがしを入れ、明るく仕上げました。大量の草が生えて手のつけようがない状態でしたが、明るく風通しの良いお墓になりました。

 

お墓の台座下部は、ご依頼には入っていませんでしたが、少しグラつくようだったので気になって、モルタルで簡単に補強しました。石の接着部分には目地をきれいに入れています。きれいに洗浄したので、お墓の彫刻文字もはっきり見えるようになりました。あまり強すぎると石を傷めてしまいますので、外柵や敷き石などより圧力を低くして、注意して洗浄しています。

花立てはステンレス製のものに交換しました。写真は花立ての台座のみですが、この上にねじ式の花筒をつけます。お水の交換やお掃除もしやすく、清潔を保てます。

 

完成した様子をご覧になったお客様は、とにかくびっくりされていました。見違えるようになりましたので、ご自分のお墓とは気付かないくらいかもしれませんね^^ お墓が明るく、広くなったとおっしゃってくださいました。喜んでいただけてよかったです。

戦前に建てられた古いお墓の外柵は、栃木県産の大谷石、福島県産の白河石のどちらかで作られているものがよく見られます。大谷石は経年でかなり傷みが目立ち崩れてしまったりしますので、早い段階で作り変えをされているケースも多いのですが、白河石は年月が経つと汚れが目立ってしまう反面比較的丈夫なので、石の状態を確認してまだ使用できることをお伝えすると、このまま残したいとおっしゃる方も多いです。そうした場合は、高圧洗浄できれいにして、へこんだ部分や目地が開いている箇所などを修復して仕上げるようにしています。

すべてを丈夫な御影石などに変えてしまうのももちろん選択肢として考えられますが、「外柵を直そう」「石塔を直そう」とどんどん新しくしていくと、それはご先祖様からのお墓と言えるかな・・・?なんて、最近話題になったドラマのようなことを思ったりもします^^; もちろん、安全面などから作り替えをおすすめすることもありますし、お客様のご希望で作り替えることもあります。ですが、せっかくご先祖様から大切に守ってこられているお墓ですので、とにかくすべてを新しくしてしまうのではなく、お客様に選択していただくことが大切だと思います。とはいえ、お客様がご自分で残せるかどうかを判断するのは難しいことですから、専門家の立場で石の状態をしっかり見て、残せるものはきちんとお伝えすることを心がけています。これからも変わらず大切にお参りいただけるように、今後もお手伝いをしていきたいと思います。