多磨霊園にてお墓の建て替え・リフォーム工事。アーバングレーのデザイン墓石と旧石の継承

東京全域でお墓のお仕事をさせていただいております、石誠メモリアルサポートの松本です。今回は、多磨霊園にてお墓の建て替え工事をご依頼いただいた事例をご紹介いたします。
※今回ご紹介するのは、都立多磨霊園での施工事例です。都立霊園の中では最大規模の公園墓地で、緑の多い静かな環境です。詳しい場所はこちらでもご確認いただけます。

 

多磨霊園 建て替え

お客様とのご縁は、約2年前のお問い合わせがきっかけでした。当初は「古いお墓をどうにかしたい」という大まかなご相談から始まりました。もともとは奥様のご実家のお墓で、今後ご家族で受け継いでいかれるにあたり、新たに建て直したいというお気持ちをお持ちでした。

お忙しい中でも少しずつお打ち合わせを重ね、昨年末に本格的に工事が動き出しました。今回は、完成したお墓をご覧いただきながら、お客様のご希望や思いを形にしたところをご紹介してまいります。

 

完成したお墓です。全体をインド産のアーバングレーで統一し、落ち着きのある上品な仕上がりとなっています。都立霊園の規定にも配慮しつつ設計を行い、シンプルでありながらも存在感のあるデザインで、現代的な雰囲気と伝統の調和を意識したお墓となっています。

 

正面には、奥様がデザインされた「円相」を彫刻しています。奥様はお仕事でデザインをされている方でしたので、「ご自分で描くこともできますよ」とお伝えすると、描いてくださることになりました。何度も何度も書き直しを重ねて、最終的にご家族全員で選ばれた一文字です。さらに落款(らっかん)も作成されて、円相の隣に朱色を入れて添えました。とてもオリジナリティあふれる意匠になっています。

 

以前からあった棹石は、お客様のご希望により、新しいお墓の隣に残しています。側面には歴代のご戒名が刻まれており、「どうしても残したい」という強いご希望で、適切な形で設置を実現しました。都立霊園では、お墓の正面にご家名が複数入っているケースでは制約もありますので、ご希望が叶えられるように管理事務所様との調整を重ねました。また、お客様のご希望でこちらの棹石専用の花立と香炉もご用意し、これまでの家紋を彫刻しました。

 

花立はお客様の強いご要望により、逆三角形のような独特な形状で製作しました。花筒は通常通り、垂直に落とし込む構造になっています。一般的な形とは異なり、デザイン性を重視しながらも使い勝手にも配慮しています。

 

全面は家紋を彫刻しています。逆三角形のような独特の形状は私も初めて作りましたが、細部までお客様のこだわりが反映された部分であり、世界に一つだけの仕様となっています。

 

香炉は全体のデザインに合わせ、スクエアで直線的な形状に仕上げました。現代的で都会的な印象を持たせつつ、使いやすさも考慮しています。中にはステンレスの香皿を入れて、寝かせてお供えします。

 

入り口の大柱は、高さを調整してベンチのように使っていただけるように設計しました。広さもあるので、ゆっくり腰かけていただけます。お手荷物やお供えを置いておくこともできます。

 

また、お墓の両端に、上段へ上がる際の安全性を考慮して踏み台を設置しています。段差を無理なく上がれる高さに設定し、ご高齢の方でも安心してお参りいただけるよう工夫しました。表面にすべり止め加工をしていますので、濡れてもすべりにくくなっていて、安全性にも配慮しました。かつ、凹凸を極力なくし、ゴミや落ち葉が溜まりにくい構造となっています。

 

外柵内部は全面石貼りとし、草取りの手間がないだけでなく、囲いを設けない開放的な設計とすることで、雨水とともに落ち葉やゴミが自然に流れる構造となっており、メンテナンス性に優れています。見た目の美しさだけでなく、実用性を重視した仕上がりです。

 

ご納骨当日はご家族様でお越しになり、お寺様による開眼供養も執り行われました。ご家族皆様、完成したお墓をご覧になって、「自分たちの希望がそのまま形になった」と大変ご満足いただけたご様子でした。特に正面の文字や花立のデザインなど、ご自身で関わられた部分への喜びはひとしおだったように感じます。長い期間をかけてじっくりと向き合われたお墓づくりでしたが、その分だけ想いのこもった、唯一無二のお墓になったのではないでしょうか。このような大切なお墓づくりをお任せいただけましたこと、心より感謝申し上げます。今後も末永く安心してお参りいただけますことを願っております。